商品・役務の区分 - 商標登録の解説サイト

商品・役務の区分

指定商品・指定役務

商標登録出願を行う場合、願書において、商標を特定するだけでなく、商標の使用を独占したい商品又は役務(サービス)を指定する必要があり、このようにして指定された商品又は役務(サービス)を指定商品又は指定役務と呼んでいます。商標権は、指定商品又は指定役務について商標の使用を独占することができる権利だからです。

商標法上の商品

商標法上の「商品」とは、独立して商取引の目的となり得る有体動産であるとされています。

例えば、ノベルティ商品は、それ自体は商取引の目的になっておらず、商標法上の商品に該当しません。フリーペーパーのような例外もありますが、商取引の目的物であるか否かは、その物に対して対価が支払われているか否かでおおむね判断することができます。

また、不動産や有価証券等は、有体動産に該当しないため、商標法上の商品には該当しません。ただし、ダウンロードによって提供されるコンピュータプログラムや電子書籍等のデータは有体物ではありませんが、平成14年の商標法改正により商標法上の商品に含まれることになっています。

商標法上の役務

商標法上の「役務」とは、独立して商取引の目的となり得るサービス(他人のために行う労務又は便益)であるとされています。

例えば、旅館の無料送迎サービスは、宿泊サービスに付随して提供されるものであり、それ自体は商取引の目的になっておらず、商標法上の役務には該当しません。ただし、小売り又は卸売りサービスは、それ自体は商取引の対象ではありませんが、平成19年の商標法改正により、商標法上の役務に含まれることになっています。

ここでいう小売りサービスとは、商品の陳列、説明、包装のような小売店が提供している一連のサービスを指しています。

区分とは

商品又は役務は、第1類から第45類までの45の区分に分けられ、全ての商品又は役務が、いずれかの区分に属しています。第1類から第34類までが商品の区分であり、第35類から第45類までが役務(サービス)の区分になっています。

商標登録出願を行う場合、商品又は役務を指定するだけでなく、その商品又は役務が属する区分も指定する必要があります。例えば、「第25類 帽子」のように指定します。

この区分は、出願費用や登録費用を計算するために用いられています。複数の商品又は役務を指定して出願した場合、これらの商品又は役務が1区分内に収まれば、追加費用は発生しませんが、2以上の区分にまたがり、2以上の区分を指定することになれば、区分数に応じて、追加費用が発生します。
商品又は役務の区分は商標法施行令・別表により定められています。