商標とは - 商標登録の解説サイト

商標とは

商標の定義

商標とは、自他商品又は自他役務の識別標識であるといわれています。つまり、商品又は役務の出所(商品又は役務の提供者=自社)を表示するものであり、それゆえに、需要者が自社の商品又は役務を他社の商品又は役務と見分けるための目印となるものが商標です。

この商標の定義は、商標の本質を言い表したものであり、商標登録制度を理解する上で欠くことができない非常に重要な概念です。

例えば、りんごに「APPLE」と表示されていても、商品の出所表示とはいえず、商標であるとは言えません。ところが、コンピュータに「APPLE」と表示されていれば、商品の出所表示として機能し、商標になり得るといえます。同じ文字でも、どの商品に表示されるのかによって商標になる場合とならない場合があり得ます。

ほとんどの外国の商標法は、このような商標の定義規定を設けています。ところが、日本の商標法は、このような意味での商標の定義規定を設けておらず、識別標識であることは登録要件の一つと位置づけています。

いずれにしても、商標の本質的な定義が日本と欧米で異なるということはなく、上述した商標の定義は、日本の商標法にもそのまま当てはると考えて差し支えありません。

登録することができる商標

商標法第2条第1項には、『この法律で「商標」とは、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(以下「標章」という。)であつて』商品又は役務について使用するものという旨が規定されています。

日本の商標法では、これが商標の定義規定であるといわれています。しかしながら、この規定が意味するところは、「登録することができる商標」を、文字、図形、記号又は立体的形状からなる「標章」に限定し、また、商品又は役務に使用されるものに限定するということであって、「商標」とは何かを明らかにするような定義規定ではありません。

日本の商標法は、上記規定により、「登録することができる商標」を、文字、図形、記号又は立体的形状からなる「標章」に限定しています。このため、色彩のみ、音、香りなどは、たとえ自社の商品又はサービスを見分ける目印として機能していたとしても、商標登録を受けることはできません。

つまり、需要者が自社の商品又はサービスを見分けるための目印となり得るもの(商標)であって、2次元的なもの又は3次元的なものであれば、商標登録を受けることが可能であるといえます。

なお、日本を除くほとんどの先進国では、音や香りも商標登録することができます。日本でも、平成25年の商標法改正により、音や香りを商標登録することができるようになる予定です。

会社名、屋号、店舗名、ウェブサイト名、社章、イメージキャラクタは商標か

商標法は、出願された商標が、商品名、会社名、屋号、店舗名、ウェブサイト名、イメージキャラクタ等のいずれであるのかというような区別を一切行っていません。商標法上の商標に該当するか否かは、前述した商標の定義に該当するか否かで判断されます。

このため、商標がウェブサイト名であるから、登録できたり、登録できなかったりするということはありません。同様にして、イメージキャラクタであるから、登録できたり、登録できなかったりするということもありません。

ただし、会社名と同じ商標として出願した場合、そうでない場合に比べて、商標登録を受け易いという傾向があります。

関連記事